各大学から昨年度の入試結果が発表されていますが、前期の入試形式が大きく変わった奈良県立医科大学でも結果が発表されています。
2024年度から一般選抜の前期は、2次の学科試験を廃止し新たに小論文と面接のみで実施され、配点は共通テスト900点に対して小論文の配点は100点(面接配点なし)と変更されていました。
ベネッセ駿台による共通テスト後の合否判定基準ではボーダー(B判定)に必要な共通テストの得点率が85%と掲出されていました。しかし、定員が21名と少なく、また高得点の受験生が多く出願してきたときにボーダーラインの上昇が考えられるなど不確実性もあるため、例年は数百名であった志願者は44名(倍率2.1倍)と大幅に減少しました。さらに合格者は12名に留まり、欠員補充の2次募集が行われたことで話題を集めました。
12名の合格に留まった前期入試の結果は以下の通りです。
・合格者の最高点 910.5 / 1000点
・合格者の平均点 851.2 / 1000点
・合格者の最低点 786.0 / 1000点
共通テストおよび2次試験(小論文)のそれぞれの最低点などは公表されていないので、以下は逆算した数値となりますが、仮に小論文で6割得点したとすると、合格者の「最高点」・「平均点」・「最低点」に必要な共通テストの得点はそれぞれ約94.5%・87.9%・80.6%となります。特に最低点は、国公立医学部の、それもほぼ共通テストのみの配点である入試の合格最低点としてはかなり低かったと言えるでしょう。
一方で、欠員補充の2次募集は共通テストのみの配点で行われましたが、注目度も高かったため、志願者は249名と多く集まり、11名が合格(倍率22.6倍)となりました。
・合格者の最高点 845.5 / 900点
・合格者の平均点 830.5 / 900点
・合格者の最低点 819.5 / 900点
2次募集は共通テストの得点率85%を基準点(足切り)として募集され、合格最低点は91%でしたので、不合格となった238名のうち大半の人の共通テスト得点率は85% ~ 90%であったと考えられます。
前期と2次募集の結果はともに、改めて医学部入試は難しいと感じる内容でした。
新課程となる今年度、奈良医大の入試がどうなるか注目されます。
Medi-UP 土肥真輔
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