9/8(日)に関西の4つの私立大学医学部(大阪医科薬科大学・関西医科大学・近畿大学・兵庫医科大学(五十音順))が一堂に会し、Medi-UP(メディアップ)上本町校にて合同入試説明会を行いました。多くの生徒・保護者にご参加いただき、各大学からの話に熱心に耳を傾けておられました。
今回は兵庫医科大学入試課の方より、大学の特色、2025年度入試変更点、奨学金制度、入試結果についてご説明いただきましたので、内容を一部ご紹介します。
- 兵庫医科大学の特色について
- 2025年度入試変更点
- 総合型選抜(卒業生子女枠・一般枠、国際バカロレア枠)の2025年度入試概要
- 学校推薦型選抜(地域指定制・一般公募制)
- 一般選抜A、一般選抜B
- 学費・奨学金と2024年度入試結果
兵庫医科大学の特色について
兵庫医科大学は、1972年4月開学の新設医学部で、創立50周年を迎える2022年を機に、同一学校法人の兵庫医療大学と統合し、「EMPOWER THE PEOPLE 心に響く医を、私たちがいる限り」というスローガンを掲げています。医学部キャンパスは最寄駅が阪神本線武庫川駅下車徒歩5分のところに西宮キャンパス、薬学部・看護学部・リハビリテーション学部は神戸ポートアイランドに神戸キャンパスがあり、医学部、薬学部・看護学部・リハビリテーション学部の4学部を擁する西日本有数の医療系総合大学となりました。他にも丹波地域の健康を支えるささやま医療センターの篠山キャンパス、梅田健康医学クリニックの梅田キャンパスがあります。
2018年の4月に完成した教育研究棟は、医学部生が6年間を過ごし、大変充実した施設です。講義室をはじめ、アクティブラーニングに対応したラーニングスクエアと呼ばれる学習スペースや24時間利用可能な6年生専用の自習室を備えており、食堂や図書館も全てこの1棟に集まっています。
教育研究棟の向かいには2026年秋に新病院棟が完成予定となっており、病棟、検査外来機能全てが新病院棟に集約され、手術や救命救急を行う急性医療総合センターと隣接する形となり、最新の設備・施設ですべての教育、臨床実習臨床実習が行われるということです。
教育の特徴としては、医・薬・看護・リハの4学部の連携教育、実践的な多職種連携(IPE)を展開しており、臨床実習も一部4学部揃って行うという新たな取り組みも推進しています。
2025年度入試変更点
2025年度入試変更点は、以下の4点あります。
①学校推薦型選抜の一般公募制の出願資格が1浪まで出願可能。地域指定制に出願する1浪の全体の評定平均が4.0以上(昨年度は4.2以上)
②総合型選抜に国際バカロレア枠(募集人員約2名)を新設し、他大学と併願可能に
③一般選抜Bの数学の配点が100点(昨年度は150点)、一般選抜A、Bの2次試験調査書・面接の配点が80点(昨年度は100点)
④一般選抜Aの1次試験会場が大阪会場から神戸会場(神戸国際会議場)に
総合型選抜(卒業生子女枠・一般枠、国際バカロレア枠)の2025年度入試概要
総合型選抜の卒業生子女枠と一般枠は合格したら必ず入学する専願制で、全国から現役と1浪までが出願可能です。どちらの枠も評定平均の制限はありませんが、卒業生子女枠は、両親および祖父母のうちいずれかが兵庫医科大学医学部の卒業生で、本学の同窓会緑樹会からの推薦書が必要です。一般枠は、兵庫医科大学で取得できる資格(医師、薬剤師、看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士のいずれか)を有する2親等以内の親族を除いた医療従事者からの推薦書が必要です。また、卒業生子女枠は、卒業後、5年間の指定された臨床研修病院で臨床研修を行う卒後義務が発生します。
試験内容は1次試験で適性検査(英語100点・理科2科目150点)・小論文50点と調査書・志望理由書の書類審査50点と2次試験でプレゼンテーション試験50点・個人面接50点の2段階選抜となります。プレゼンテーション試験は、複数の数理的課題から1つ選んで約15分間で課題に取り組み、その後およそ15分間にわたり面接官の前で発表及び質疑応答を行う流れで行われます。
国際バカロレア枠については、2025年3月31日までに18歳に達し、国際バカロレア資格を有する(見込みの)者が対象で他大学と併願が可能です。(学校推薦型選抜、総合型選抜との併願は不可)
学校推薦型選抜(地域指定制・一般公募制)
学校推薦型選抜の一般公募制と地域指定制は合格したら必ず入学する専願制で、一般公募制は、全国から1浪まで、地域指定制は、出願時点で兵庫県内に保護者等が1年以上居住あるいは、兵庫県内の高校の卒業者、卒業見込み者で、2025年度入試より、1浪も対象となり、どちらも学校の評定平均は4.0以上(現役は3年生1学期までのもの)が出願資格となります。一般公募制も地域指定制も、卒業後の勤務義務は課されませんが、地域指定制は、いわゆる地域でのスーパードクターを養成したいという目的があり、入学後は、通常の講義以外に夏休みを中心に、地域医療の中核病院の見学実習に参加し、臨床実習を篠山医療センターで重点的に行うカリキュラムが組まれています。
試験内容は、適性検査(英語100点・数学ⅠⅡAB(数列)C(ベクトル)100点・理科2科目選択150点)・小論文50点・個人面接30点を1日で受験し、調査書も合わせて多面的・総合的に判定されます。
地域指定制の出願資格を満たす場合は、一般公募制も学内併願が可能です。最初に地域指定制から合格者を決定し、その後地域指定制で不合格となっても一般公募制でもう一度判定します。
総合型選抜の1次試験日と学校推薦型選抜の試験日は同じ日であるため、適性検査と小論文は同じ試験問題を使用します。総合型選抜と学校推薦型選抜は出願資格・条件を満たせば、学内併願が可能です。もし総合型選抜と学校推薦型選抜の両方に出願し、両方とも合格した場合は、学校推薦型選抜を優先し、入学手続を行います。
一般選抜A、一般選抜B
一般選抜A(4科目型)と一般選抜B(高大接続型)の2つの入試区分があります。2025年度入試では1次試験会場の大阪会場が神戸会場(神戸国際会議場)に変更されます。一般Bは、英語資格・検定試験を取得していることが出願資格となる入試方式です。英検であれば、2020年4月以降実施の試験で英検2級以上を取得していれば出願資格を満たします。一般Bの出願資格を満たしていれば、一般Aと一般Bを併願することが可能です。
試験内容について、1次試験は、一般Aが英語150点、数学150点、理科2科目200点と小論文50点、一般Bが数学100点・理科1科目100点と小論文50点で、小論文は2次試験で判定します。2次試験は一般Aが個人面接と調査書80点、一般Bが英語の筆記試験150点と課題型面接と個人面接、英語資格検定試験と調査書を合わせて80点です。
個人面接では、志望動機、学校での取り組みをはじめ、目指す将来の医師像や診療科など様々なことが聞かれますが、会話のキャッチボールができるかどうかが非常に重要になります。
一般Bの英語資格・検定試験の出願資格を満たせば、一般Aと併願が可能です(一般Bのみ出願の場合、1次試験は神戸会場)。理科2科目を受験した場合は、高得点の1科目を採用します。一般Bの2次試験で行う課題型面接は、1分間で課題文が書かれた紙を受け取って読んで考えをまとめ、その後面接室に入り、面接官から書かれた内容に対してどう思ったかを述べるという倫理性を問う試験です。正解があるものではなく、兵庫医科大学の求めるアドミッション・ポリシー、求める人物像に基づいた医師の適性を評価します。
学費・奨学金と2024年度入試結果
兵庫医科大学の6年間学費総額は、3,760万円となっていますが、奨学制度がいくつか用意されています。特定診療科医師養成奨学制度は、出願時に申請し、一般Aに合格し、奨学金貸与の選考試験(面接)を別途受験します。一般Aの出願時に自己推薦書、誓約書の提出が必要です。6年間の貸与総額は、1,710万円(285万円×6年)で、卒業後、外科、小児科・産婦人科、麻酔科・疼痛制御科・救急科の診療科から本人の希望で選択した指定診療科で、初期臨床研修期間2年間を含む5年間勤務することで返済を免除する制度です。
兵庫医科大学兵庫県推薦入学制度は、自治医科大学と同じように、卒業後9年間兵庫県の指定するへき地の病院等に勤務することによる返済が免除される制度です。兵庫医科大学と兵庫県の両方に出願し、一般Aに合格後、別途兵庫県の選考試験(小論文と面接)を受験します。6年間貸与総額は、入学金、授業料、実験実習費など、修学に要する全ての費用です。
2024年度入試結果ですが、正規合格者の1次合格最低得点率は一般Aが61.1%、一般Bが60.6%でした。繰り上げ合格者数については、一般Aは番号有り補欠者が133名で繰り上げ合格連絡時の辞退者数を含めると最終的に130番台まで回ったということです。一般Bは補欠番号はありません。
補欠者の繰り上げ合格の連絡方法は、電話連絡になりますので、出願時に複数の連絡先を記入しておきましょう。電話で連絡がつかなかった場合は、入学手続期限を明記した書類を送付しますが、3月末に近づくにつれて手続期間が短くなります。
兵庫医科大学の受験をお考えで詳しい内容をお知りになりたい方はMedi-UPまでお問い合わせください。