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大阪府地域枠(自治医科大学を含む)オンライン説明会2023を行いました

 11/17(金)に大阪府地域医療支援センターの方をお招きし、オンライン形式で大阪府地域枠と自治医科大学の説明会を行いました。大阪府地域枠については、大阪府地域枠制度設立の背景と制度の概要、卒後のキャリア形成プログラムを、自治医科大学については大阪府出身の自治医大卒業医師の卒後義務や勤務先の詳細をご説明いただきました。

大阪府の医師を取り巻く環境と地域枠制度の設立の背景

 全国的に医師は都市に集中し、特に山岳地方や離島などへき地と呼ばれる地域において医師が長年不足しているという地域偏在の課題があります。大阪府には全国で唯一へき地が存在しませんが、大阪市内や大阪府北部(豊能、三島)では医師が充足している一方で大阪南部(中河内泉州など)では医師が不足している傾向が続いています。また、近年の少子化の影響もあり、内科や外科に比べて、小児科や産婦人科などの医師が著しく不足しているという診療科偏在も大きな課題となっています。地域偏在と診療科偏在の2つの課題について医師不足を解消するべく、平成22年度より大阪府地域枠制度を開始しました。

大阪府の地域枠医師は、卒後9年間大阪府内の医療機関に勤務する

 現在の大阪府地域枠の設置大学は、大阪公立大学(5名)、関西医科大学(5名)、大阪医科薬科大学(2名)、近畿大学(3名)の合計15名の定員となっています((  )内は募集人員)。各大学で実施される大阪府地域枠の入学試験に合格し、入学すると、大阪府から月額10万円、6年間で総額720万円の医師修学資金が貸与されます(万一留年した場合、その1年間は貸与が停止されますが、義務年限の延長はありません)。医師免許取得後は、9年間大阪府内に所在する医療機関で勤務することで、貸与された修学資金の返還が免除されます。9年間のうち、最初の2年間は大阪府内に71ある初期臨床研修病院の中から希望する病院で初期臨床研修を行います。初期臨床研修修了後、残りの7年間は、大阪府が指定する医師不足している指定診療科への勤務と医師不足地域での勤務に従事します。

大阪府の地域枠医師は、臨床研修後、指定診療科に5年間以上勤務従事する

 大阪府では、医師の診療科の偏在が大きな課題になっています。大阪府の地域枠医師は初期臨床研修修了後、医師が不足している診療科として大阪府が指定する、救急科、周産期(産婦人科、産科、新生児科、新生児外科)、小児(小児科、小児外科)、2022年度から開始された総合診療科、感染症に対応する診療科で5年間以上勤務することになります。大阪府の地域枠医師は、上記の指定診療科の中から希望する科を選択することになりますが、逆に言えば大阪府の地域枠医師は指定された科以外の診療科を選択することができないことについて、あらかじめ理解しておく必要があります。

大阪府の地域枠医師は、臨床研修後、医師不足地域に4年間以上勤務従事する

 また、大阪府には極端な医師不足地域はないものの、大阪府内で相対的に医師が少ない地域があります。府内には8つの二次医療圏(救急医療を含む一般的な保健医療サービスが完結するように設定された区域)があり、そのうち、北河内枚方・寝屋川など)、中河内東大阪・八尾など)、泉州(岸和田・泉佐野など)、堺市の4つが医師少数地域となっています。大阪府の地域枠医師は、臨床研修後の7年間のうち4年間以上はこれらの4つの地域に所在する医療機関に勤務する必要があります。(南河内地区にある近畿大学が、2025年11月に堺市に移転予定のため、将来的に医師不足地域が堺市から南河内に変わる可能性があります)

 大阪府の地域枠医師は、卒後1年目の時点で9年間の卒後義務で勤務する医療機関の全てが決められているわけではありません。毎年地域枠医師本人の希望を聞きながら、医師確保状況に合わせて勤務先を決めていきます。また、指定診療科の勤務と医師不足地域での勤務を同じ年度に行う場合、それぞれ1年としてダブルカウントされます。

 また、2023年度入学生から、地域枠入試で入学した全国の医学生を対象に、「キャリア形成卒前支援プラン」を実施しています。これは、地域枠で入学した学生が将来の目標を見失わないよう、また、地域枠医師としての卒後のキャリアプランを明確にできるように支援体制を構築することを目的にしています。大阪府の場合、通常の地域医療や政策医療に関する講義や研修・実習が受けられる他、大阪府地域枠先輩医師が勤務する病院を訪問して意見交換を行う機会や地域枠の医学生同士の交流会や勉強会なども支援しています。

自治医科大学について

 自治医科大学は、へき地や離島などの公立の病院や診療所で勤務する医師を育成し、地域住民の健康と福祉を充実するため、総合医を育成することを目的に設置された大学ですが、受験生を各都道府県単位で募集するため、出願地となる都道府県が、卒業後に勤務する「出身都道府県」となります。

 また、栃木県にある大学では、大学構内にある学生寮で生活しながら6年間医学の勉強に励みます。医師国家試験の合格率は2013年から10年連続で全国の医学部で1位を継続してきました。自治医科大学は、全ての学生について入学金や授業料をはじめとする全ての学費が貸与される「修学資金貸与制度」があります。卒業後、出身都道府県の職員医師として各都道府県が指定する医療機関などで、卒後義務として9年間勤務することで貸与された修学資金の返還が免除されます。(万一留年した場合、その1年間も貸与が継続されますが、義務年限は1.5年延長されます)

 大阪府出身の自治医科大学卒業医師は、山間部や離島などのへき地での勤務はなく、医師の確保が困難な分野で勤務します。地域枠医師が従事する救急科、産婦人科、小児科の分野に加えて、精神科や感染症科、公衆衛生・健康医療行政を担当する保健所や府庁などで大阪府の職員として勤務します。

 大阪府の地域枠の概要や自治医科大学の特徴、それらの卒後のキャリアプランなどについては、「大阪府地域医療支援センター」のウェブサイトに詳細な情報が掲載されています。先輩方のメッセージ動画などもありますので、是非一度ご覧ください。