医学部受験のプロがお届けする医学部受験情報ブログ

大阪上本町/西宮北口/京都にある医学部受験専門「Medi-UP」の進学アドバイザーが発信する医学部受験ブログ。個別指導×少人数集団授業で毎年医学部合格者を輩出しています!

大阪府地域枠(自治医科大学を含む)オンライン説明会を行いました

11/18(金)に大阪府地域医療支援センターの方をお招きし、オンライン・ライブ中継形式で大阪府地域枠と自治医科大学の説明会を行いました。今回の説明会では、大阪府の地域枠卒業医師や自治医大卒業医師の、卒後義務や勤務先の詳細についてご説明いただきました。

大阪府の地域枠医師は、卒後9年間大阪府内の医療機関に勤務する

大阪府の地域枠の募集定員は15名(大阪公立大学(5名)、関西医科大学(5名)、大阪医科薬科大学(2名)、近畿大学(3名)。(  )内は募集人員)です。それぞれの大学で実施される入試に合格し、大阪府の地域枠で入学すると、大阪府から6年間で合計720万円の医師修学資金の貸与を受けます。医師免許取得後は、9年間大阪府内に所在する医療機関で勤務することで、貸与された修学資金の返還が免除されます。9年間のうち、最初の2年間は府内に73ある初期臨床研修病院の中から希望する病院で初期臨床研修を受けていただきます。初期臨床研修修了後、残りの7年間は、大阪府が指定する医師が不足している診療科での勤務と医師少数地域での勤務を行っていただきます。

大阪府の地域枠医師は、臨床研修後指定診療科に5年間以上勤務する

大阪府では、医師の診療科の偏在が大きな課題になっています。大阪府の地域枠医師は初期臨床研修修了後、医師が不足している診療科として大阪府が指定する、産婦人科、小児科、救急科で5年間以上勤務することになりますが、2022年度からこの診療科に総合診療科が追加されることになりました。大阪府の地域枠医師は、上記の指定診療科の中から希望する科を選択することになりますが、逆に言えば大阪府の地域枠医師は指定された科以外の診療科を選択することができないことについて、あらかじめ理解しておく必要があります。

大阪府の地域枠医師は、臨床研修後医師少数地域に4年間以上勤務する

また、大阪府には極端な医師不足地域はないものの、大阪府内で相対的に医師が少ない地域があります。府内には8つの二次医療圏(救急医療を含む一般的な保健医療サービスが完結するように設定された区域)があり、そのうち、泉州(岸和田・泉佐野など)、中河内東大阪・八尾など)、北河内枚方・守口など)、堺市の4つが医師少数地域となっています。大阪府の地域枠医師は、初期臨床研修後の7年間のうち4年間以上はこれらの4つの地域に所在する医療機関に勤務する必要があります。

大阪府の地域枠医師は、卒後1年目の時点で9年間の卒後義務で勤務する医療機関の全てが決められているわけではありません。毎年地域枠医師本人の希望を聞きながら、医師確保状況に合わせて勤務先を決めていきます。

また、2023年入学生からは、地域枠入試で入学した全国の医学生を対象に、「キャリア形成卒前支援プラン」を実施することになりました。これは、地域枠で入学した学生が将来の目標を見失わないよう、また、地域枠医師としての卒後のキャリアプランを明確にできるように支援体制を構築することを目的にしています。大阪府では、通常の地域医療や政策医療に関する講義や実習が受けられる他に、卒後に勤務する病院の見学や地域枠の医学生同士の交流会や勉強会を支援していく予定にしています。

自治医科大学について

自治医科大学は、へき地や離島などの公立の病院や診療所で勤務する医師を育成し、地域住民の健康と福祉を充実するため、総合医を育成することを目的に設置された大学ですが、受験生を各都道府県単位で募集するため、出願地となる都道府県が、卒業後に勤務する「出身都道府県」となります。

自治医科大学は、全ての学生について入学金や授業料をはじめとする全ての学費が貸与される「修学資金貸与制度」があります。また、栃木県にある大学では、大学構内にある学生寮で6年間医学の勉強に励みます。医師国家試験の合格率は2013年から10年連続で全国の医学部で1位を誇ります。卒業後は、出身都道府県の職員医師として各都道府県が指定する医療機関などで、卒後義務として9年間勤務することで貸与された修学資金の返還が免除されます。

大阪府出身の自治医科大学卒業医師は、山間部や離島などのへき地での勤務はなく、医師の確保が困難な分野で勤務します。地域枠医師が従事する救急科、産婦人科、小児科の分野に加えて、精神科や感染症科、公衆衛生・健康医療行政を担当する保健所や府庁などでの勤務が卒後義務となります。

大阪府の地域枠の概要や自治医科大学の特徴、それらの卒後のキャリアプランなどについては、「大阪府地域医療支援センター」のウェブサイトに詳細な情報が掲載されています。先輩方のメッセージ動画などもありますので、是非一度ご覧ください。