関西在住の医学部志望者のうち、関西四私大の一つである兵庫医科大学を志望される受験生の方も多いと思われます。ただし出題される小論文は非常にユニークな問題となっていますので受験を考えているならば、前もってその全体像や情報を念頭に入れておくことが重要です。以下その概要と注意点を述べさせて頂きます。
(国語・小論文担当 木村彰宏講師)
① 形式(推薦・一般共通)
課題文型(時間制限60分・配点50点)
・A4サイズで1枚半~2枚程度の課題文が与えられる。
・話題・内容は医療関係のものとは限らず、むしろそうではない場合が多い。
【注意点】
一般的な課題文形式の小論文よりも文章量は多く、さらに以下で説明するように細かい設問が設定されているので、60分という時間はかなりタイトなものとなります。また、配点が50点満点であり、合格最高点と最低点は30点前後の差が開くと見込まれれます。したがってしっかりと対策を取ることが大きなアドバンテージを生みます。
② 設問
a 設問数
四~六問
b 設問の形式例
・見出し・タイトル作成(字数制限ある場合あり・10~20字程度)
・空欄補充(字数制限あり・2字~10字程度)
・語句説明(字数制限あり・40~100字程度)
・同意部分抜き出し(字数制限あり・20~30字程度)
・下線部説明及び理由説明(字数制限あり・20字~200字程度)
・最終問題(字数制限あり・200~300字程度)
※「あなたの経験から具体的事例を挙げて、それに対してどう考えたのか説明しなさい」などの条件を付けられる場合がある。
【注意点】
空欄補充や同意部分抜きだしの問題、また下線部説明及び理由説明の問題は一般的な国語で課される問題と言ってよいもので、国語が苦手な受験生には対策なしではハードルが高いものとなります。
最終問題が最も配点が高いと考えられるので、解いている際に時間が足りなくなりそうであれば途中の設問は切り上げて先に最終問題を完結させた方が得点が高くなると考えられます。また「あなたの経験から~」という条件がついていても自分が実際に自分が経験したことを書く必要はなく、実際に経験したという体裁の創作をしても構いません。
当然、文章読解力によってテーマと主張・文章展開を把握し理解することが前提であり、表現力においても「適切な語句・わかりやすい表現(言い回し)を使用する」「制限字数内に簡潔にまとめる」「誤字・脱字をなくす」などが得点に影響します。また、一般常識や本文内容に即した具体例などが発想できるかどうかという発想力も必要となります。
以上、簡潔ではありますが、高得点を望むのならばそれなりの準備が必要とされることは理解して頂けたかと思います。兵庫医科大学の受験を考えている方はしっかりと対策と練習を積んで臨んで下さい。
Medi-UP 小論文担当
木村 彰宏