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入試問題の時間配分

 私立医学部の一般入試(前期)もまもなく終わり、国公立や後期入試へ突入していきます。今回は、入試問題の時間配分について簡単に書いてみようと思います。

 入試問題の時間配分についてよく聞く言葉が「大問4題で60分だから、1問あたり15分で解かないといけない」というものです。おおよその時間配分を考える点では間違えていませんが、これを「とりあえず第1問を15分で解く。解けたところまでで終わって、第2問を15分で解く。・・・」と考えている生徒が意外と多いことに最近気が付きました。解けるのであれば問題ないですが、よくわからない問題に15分も頭を悩ませ続ける必要はありません。1問にかかる時間が均等なんてことはかなり稀です。とりあえず何か書いておくなんてことも、それが間違えていれば、逆に時間の無駄となってしまいます。では、どのように解くべきでしょうか。

(数学・化学・物理担当 大矢浩祐講師)

① まずは全体を見る

 まず試験問題全体の様子をつかんでください。ぱっと見で解けそうな問題でしょうか。それとも計算がめんどくさそうですか。いわゆる「捨て問」でしょうか。シャーペンも持たずにただ眺めるだけで良いです。少し落ち着いてから、解けそうな問題に取り組んでください。決して、第1問から解かなければならないと考えないでください。

② 1分間手が止まったら次の問題へ

 解いていくとどこかからは手が止まることもあると思います。そこで、なぜか粘ろうとする人もいるようです。ここまで解いてきた時間が無駄になってしまうと感じるようですね。でも、そのせいで別の解けるはずの問題が解けなかった...となる方が無駄ではありませんか?いったんその問題は後回しにして(決して捨てるという意味ではありません)、次の問題へ移ってください。もしかしたら、小問のうち(3)が分からなくても(4)は解けるといった場合もあるので、続きの問題も見ておくことも必要です。いったん全部解き終わってから、飛ばした問題に戻ってきてみると、自分のミスに気付くことがあります。問題を読み間違えていたり、視野が狭くなったりしていたのを、一度別の問題を解くことで解消できることがあるものです。

③ 時には捨てることも必要

 入試問題に満点は必要ありません。6割程度できていれば十分なことが多いです。例えば大問3題の試験があったときに、「第1問に時間をかけて完答して、第2問の途中で終わる」のと、「第1問から第3問まですべて半分くらいできている」のでは、どちらの点数が高いと思いますか。配点にもよりますが、おそらく後者ではないでしょうか。基本的には各大問の最初の問題は解きやすいものが多いです。そして後半になるにつれて難しくなります。そうであれば、後半に時間をかけるのではなく、他の大問の(1)を解いた方がいいと思いませんか。解けるなら解けばいいですが、無理しなくても大丈夫です。

 以上が、入試問題の解き方です。これは、2科目同時に解く理科でも共通のことです。化学に60分、物理・生物に60分と分けるのではなく、全体を通して解ける問題から解く方が総合的な点数はアップするはずです。ぜひ一度試してみてください。

Medi-UP講師
大矢 浩祐

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