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A = B = C = D = E

 タイトルの意味が分かりませんね。私がこのブログを通して言いたいことは、論理的な思考の大切さについてです。論理的な思考とは何でしょうか?それは、物事を整理し、矛盾や飛躍のない筋道を立てる思考のことです。これにはまず、基礎となる知識が必要であり、それを基に考えていく必要があります。どんな科目だろうとこれはとても大切なことです。化学の「電気分解」の例で考えてみましょう。

(数学・化学・物理担当 大矢浩祐講師)

電気分解のとき陰極で起こる反応は?」という質問に対して、明確な理由をもって答えられるでしょうか?答えは「還元反応」です。これを論理的に考えてみましょう。まず基礎となる知識が必要です。次の3つですね。
  ① 外部電極の負極に接続された電極が陰極である
  ② 電子を受け取る反応が還元反応である
  ③ 電子は電池の負極から出て、正極に入る
これは、酸化還元の単元の中では、基礎中の基礎の知識です。もしこれを覚えられていないとすれば、そこの見直しから必要です(②については、もっと突き詰めて電子の授受と酸化数の変化の関係なんかも知っている方がよいのですが)。では、この知識を用いて「A:陰極で起こる反応」から「E:還元反応」を結びましょう。
 「B:陰極は負極に接続されている」
 「C:負極に接続されているから、電子を受け取る反応が起こる」
 「D:電子を受け取る反応は還元反応である」
 「E:よって、還元反応が起こる」
です。「A = E」と覚えるのは、忘れたときのリスクがとても大きいです。50%の博打にでなければなりません。でも、上のように筋道立てて、論理的に覚えられていれば、「A = E」を忘れたとしても、順に考えて、「A = B = C = D = E」とすることで、正しい答えにたどり着きます。
 簡単な一例ですが、論理的に考えるとはこういうことです。化学の他の単元や、数学・物理でも大切な考え方ではないでしょうか?解き方を覚えることも大切ですが、このように筋道立てて考える練習もしっかりと積まなければなりません。ただの語呂合わせで覚えるようなことはせず(覚えざるを得ないものについて覚えてください)、しっかりとした知識として蓄えてほしいものです。応用問題にも対応できるようになりますよ。
 現在通っている学校や塾への行き方は、初めは地図などを調べていたと思いますが、いつの間にか自然と、友達と話しながらでも、勝手にその方向に体が向かっているのではないでしょうか?これは何度も同じ道を歩いているからです。論理的思考も同じです。「A」から「E」までの行き方を何度も繰り返し歩くことで、自然と理解できるようになるはずです。初めは無駄のように思えたとしても、繰り返すうちにきっとできます。そうなることを信じて、考える癖をつけてください。地図は先生が持っています。いつでも相談に来てください。

Medi-UP講師
大矢 浩祐