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課題文要約ってどう書くの?

 誰しも学校で一度は習っているはずなのですが、そんなことはすっかり忘れてしまい、そもそも「要約」というものを理解していない、したがってどう書くのか見当もつかないという受験生が多いようです。「要約」とは「文章の要点をとりまとめて、短く表現すること」を指すので、まず「要点」として最も重要な「筆者の主張」を抽出することが必要となります。課題文の冒頭を読むと大抵その文章の「話題」がわかると思います。「話題」とはわかりやすく言うと「超高齢社会における医療問題について」や「医師としての重要な資質について」などのように「~について」の「~」に当たる部分のことです。そして、その「話題」に対して「私は~だと考える」や「私は~べきだと考える」などの筆者の意見や考えが「筆者の主張」となります。たとえば「日本の超高齢社会における医療問題については医療費の増大が懸念されるが、その解決には健康寿命を延ばすことを目的とした予防医療が有効だ」のように、筆者がその文章の中で最も言いたかった内容のことです。

(国語・小論文担当 木村彰宏講師)

 次に筆者が何かを主張する上で説得力を持たせるために必ず文中に用意されるのがその「根拠」です。「どうしてそのように考えるのか」や「どうしてそうすべきなのか」の説明部分です。この時、その説明には欠かせない「語句(キーワード)」を意識して下さい。そして「根拠」と「筆者の主張」との間に当然ある「因果関係」も要約には重要な点となります。

さらに、通常の文章には頻繁に登場する「対比関係」も要約する上で重要です。文章の筆者は多くの場合、「昔と今」、「日本と諸外国」、「自己と他者」などさまざまなものを対比させて、より自分の主張の理解を深めようとしてきます。その点も要約には欠かせません。

 要約のみならず小論文においても受験生がついつい陥ってしまうのが「とにかく字数を稼がねば症候群」でしょう(当然正式名称ではなく私が勝手に命名しました、すみません)。文章を書き慣れている人は「あれも書きたい、これも書きたい」という意識が働くので多くのことを書いてしまって、あとから削る作業が大変だということが多々あります。逆に文章を書き慣れていない人は「果たして要求されている字数を埋めることができるだろうか」という意識が働きます。その結果、課題文中の説明部分を長々とそのまま引き写すということになったり(それでは「とりまとめて短く表現する」という要約の精神に反します)、ひいては課題文に具体例が書かれているのを幸い、それをまたまた長々と書いてしまうことになったりします。さらにあろうことか、勝手に自分の意見を差し挟んだり、ひどい場合はそれが自己アピールになるとでも思っているのか、「私は将来、患者さんの心に寄り添える医師になりたいです」というような医師となる上での決意表明まで書く人までいたりします。結論としてはアピールどころか逆効果で、大幅に評価を下げることになりますので気を付けましょう。要約には筆者の主張とは無関係な内容、具体例、あなたの意見や考え、勝手な憶測などは書いてはいけません
 最後に、要約の評価基準には「課題文の記述の順序に準拠しているか」という点はありませんので、要約する場合はその「課題文の記述の順序」通りに書く必要はありません。自分で書きやすい流れの構成を立てて書いて下さい。
以上述べてきた「要約のポイント」と「評価基準」を以下にまとめました。どうかご参照下さい。 

【要約のポイント】
〇 筆者の主張を中心にして明確化する。
〇 筆者の主張の根拠を読み取り、説明に必要な語句を抜き出し表記する。
〇 課題文に示されている因果関係対比関係は明確に書く。
〇 主張とは直接関係のない事柄や具体例、あるいは自分の意見や憶測は書いてはいけない
〇 課題文で書かれている事柄の順序通りに従う必要はない
【評価の基準】
〇 筆者の主張が明確に書かれているか。
〇 誤字表記ミス、あるいは不適切な表現はないか。
〇 必要な語句は抜き出せているか。
〇 課題文に示されている因果関係対比関係は適切に表現されているか。
〇 不必要な内容は書かれていないか。

Medi-UP 小論文担当
木村 彰宏

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